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◆親友と恋人と(3)

※性描写があります。苦手な方はお気をつけください。


「…っっ、はぁ……はぁ…」

長い絶頂の余韻で目がトロリと情欲に濡れている親友の様子を見つつ、スティールはぐっしょりと濡れた片手をラーディンに見せた。ポタポタと指の端から掬いきれなかった精液がこぼれ落ちる。わざと見せつけられたことに気づいたのか、ラーディンの頬が赤く染まった。

「……悪かったな…どーせ……」
「何が?」
「慣れて…なくて」
「謝るようなことじゃないと思うけど」

はぁとラーディンはため息を吐いた。直視できないのか赤い顔で目を逸らしたままだ。

「たっぷり出したね。自慰もしてなかったの?」
「そんなこと…ねえ…けど」
「しててこれ?」
「……っ!!悪かったなっ」

もう寝るっと横を向くラーディンにスティールは笑った。恥ずかしがる友にちょっと虐めすぎたかなと思う。手を洗ってこうか、それより入浴するかと考えていると横を向いたままの友から声がかかった。

「続き…しないのか?」
「え?けど疲れたでしょ?」
「大丈夫だ」

ちゃんと最後までやると言い切る友にどこまで生真面目なんだと呆れつつ、先ほど媚薬を使ったことをスティールは思い出した。

「もしかしてさっき弄られた奥が疼く?」

図星だったのだろう、一気にラーディンの顔が真っ赤になる。
「そ、そういうことを言うなっ」
「ここ?」

精液に濡れたままの指を突き入れるとラーディンが小さく呻いた。しかし内部への抵抗はない。むしろ熱を持ってるかのように蠢いてスティールの指が締め付けられた。

「わ、熱くなってるね、それにとろとろしてるよ」
「言うなっ…っん、…んんっ…ぅ…ふぅっ…やぁっ」
「何処弄って欲しい?入り口?奥?それともこの辺かな?」

すぐに増やした指で中をひっかくように動かしていくとラーディンから悲鳴じみた声が上がった。ひどく感じ入っているのはすぐ立ち上がった性器から一目瞭然だった。

「気持ちいい?」
「…いい……いいっ…スティ、はや…くっ……」
「早く何?」
「……っ、い、入れ……入れて…っ」
「もう?まだ早くないかな?」
「いい、欲しい。早くっ」

そう?とスティールはやや躊躇いつつも友の中へ突き入れた。途端に強い締め付けを受ける。腹部に熱い熱を感じて少し驚くと友は入れられた衝撃で達したらしい。

「…早いな…」

自分でも思ったのだろう。スティールの呟きにラーディンは泣きそうな顔で真っ赤になった。

「だ、だからっ…そういうことを言うなって言ってるだろ!」

小さく笑って軽く揺さぶるとラーディンは声を上げて慌ててスティールにしがみついた。

「何回イケるか試す?」

笑って問うと冗談じゃないとラーディンは首を横に振った。

「こ、んな、気が狂うようなことっ…何度も、できるかっ…」

気が狂うほどいいのか、とスティールは嬉しく思った。

「そっか。じゃ一緒に狂おうよ、ラーディン」
「…っ、ひっ、あああっ…スティールッ」

ぐい、と奥を突き上げて擦りあげるとラーディンの背が大きく仰け反った。

「や、ああっ、そこ、やめっ、あああっ」

これでもかと言わんばかりに繰り返し狙って突き上げていく。弱い部分を徹底的に擦りあげられて、ラーディンの声は止まることなく続いた。更に動きと共に手で前も擦られるとラーディンの声は悲鳴じみたものに変わっていった。

「やっ、あああっ、やめ、やめろ、っもぉっ…」

再度達して零れた精液が手を濡らす。それでもスティールは動きを止めなかった。達したばかりの敏感な体を止まることなく追い上げられて、快楽に慣れないラーディンの陥落は早かった。立て続けに短く達し、痙攣を起こしたかのように体を震わせる。

「あ、ああっ、……ああっ」

既に声は意味あるものにはなっていない。ぐっしょり濡れた下肢からは互いの動きにあわせて濡れた音が響いていく。

「ラーディン…」
「…ああっ…」

軽い口づけさえも刺激となるのか、再度ラーディンの体が小さく震える。一体何度達したのか当人でさえ判らないだろう。恐らく薬のせいでもあるだろうが、敏感な親友にスティールは小さく笑んだ。

「気持ちいい?」
「……いい……いいっ……」
「俺のこと好き?」
「好き……っ、大好きだっ……」

正気ではないだろうが、好きだと繰り返されると嫌な気持ちはしない。だすよ、と告げると親友は繰り返し頷いた。

「あ……ああっ……」

奥に熱い飛沫を受け止めて、同時に何度目か判らぬ絶頂を迎えたラーディンはそのまま意識を失った。