※性描写があります。苦手な方はお気をつけください。
スティールは静かに部屋で待っていた。初めての行為ではないが、親友相手は初めてだ。少々緊張せずにいられなかった。
友は普段着でやってきた。いつも制服姿だったので、見慣れぬ姿に少し驚く。走ってきたのか、友は少々息が荒かった。
「えーと、いらっしゃい。……潤滑剤持ってきた?」
「いや…」
「じゃ、これ使うね。質は大丈夫だよ、問題なかったし」
カイザード相手に使用したことのある品を見せると相手も悟ったのだろう。ムッとした様子を見せた。
「お前全部カイザード先輩優先じゃねーか。俺も相手なのに」
ずりぃよ、と訴えられ、スティールは戸惑った。しっかり者の同級生がそんなことを思っているとは思ってもいなかったのだ。順番も意識したことがなかったのでそんなことを言われると少々気まずい。
「ごめん、そんなつもりはなかったんだけど…」
親友は最初から服を脱ぎ、スティールの服も脱がそうとするなど積極的だった。かといって主導権を握りたいわけではないらしく、スティールの動きを止めようとはしない。
ただ単に協力的と言うべきか。
ちゃんと抱かれる側という認識もあるらしく、抵抗も見せない。
(そろそろ慣らそうかな)
「それ、嫌だ」
前回使用した潤滑剤を使おうとするとしっかり見ていたらしいラーディンが顔をしかめた。
「けど、何か使わないと痛いよ。切れるかも…」
リアルに告げるとラーディンの表情が強張る。それでも嫌なのか、潤滑剤は奪われて、部屋の隅へ放り投げられた。
(……え?)
普段は穏やかな親友の思わぬ行動にスティールは呆気にとられた。しかし少々拗ねた表情から嫉妬したのだろうということは読み取れる。
仕方なく代用品を探して視線を彷徨わせていると弟からもらった媚薬の瓶が目に入った。
(…ま、いいか)
弟のことだから質は悪くないだろう。たちの悪い悪戯をするような性格でもない。
スティールは弟からもらった媚薬を手に取った。指にすくって相手の後孔に突き入れる。指に垂らしては塗り込めるということを繰り返すうちにラーディンの息が荒くなっていく。薬が効いてきたのだろう。そういえば媚薬とはいえ、具体的にどういう効果があるのか聞き忘れたな、とスティールは思った。媚薬としか聞いていなかったのだ。
「す、スティールっ……」
「何?」
「な、何かヘンだ。熱いっ……中、熱い…」
「うん……ココ、いい?」
中を指でひっかくように動かし、最奥を指でかすめると高い声が上がった。さすがに恥ずかしかったのかラーディンの顔が羞恥に赤く染まる。慌てて指をかんでこらえようとするのでスティールは手を止めた。
「いいから声聞かせて。声は相手に聞かせて盛り上げなきゃ」
「そ、いうもんなのか?」
「うん、そうだよ」
嘘でたらめだったが生真面目なラーディンは信じたらしい。恥ずかしいんだけどよ、と言いつつも躊躇いがちに口を塞いでいた手を離した。
「ふ…ふぁっ……や、ああっ……」
指を動かすたびにラーディンの声が上がり、腰が揺れ動く。体液と媚薬で濡れた音が響く頃にはすっかり高ぶった性器は腹につきそうなほどそそり立ち、今にもイキそうに張りつめていた。
「おま、え……っ、慣れ、すぎっ…」
やはりずるいと言われ、スティールは苦笑した。小竜の性教育と先輩相手で慣れたのは確かなので否定は出来ない。
「そんな意地悪言うなら俺も意地悪するよ?」
根元を握りしめて達すことができないように戒め、敏感な先端を舌と指で愛撫すると瞬く間にラーディンの声が悲鳴じみた嬌声に変わった。必死に止めろと叫んでいるが当然そんなことを聞き入れるスティールではない。ぴちゃぴちゃと濡れた音を立てて舐めていくと、限界まで追いつめられて達することができない苦しさにラーディンの声は涙声へと変わっていく。
「…っ……スティールッ、スティ…っ、い、いや、だっ、いやだぁっ…」
「いやじゃないでしょ?イキたい、イカせてくださいって言えば許してあげるよ」
「なっ…おま…えっ……」
「ラーディンのここ、とろとろだね。ずっとでてるよ。舐めても舐めても出てくる」
あからさまな言葉にラーディンの顔が羞恥に染まる。快楽とイケぬ苦しさに潤んだ目がスティールと合った。
「…スティ…っ…ぅあっ…、い、イキたいっ、…いかせて…スティールっ…」
いつも生真面目でスティールの面倒を見てくれる親友の色艶に染まった顔はスティールを満足させるのに十分だった。思わず見惚れていると、親友の表情が泣き出す寸前に歪んだ。
「スティ…?だめ、か?……っ、どう、すれば…いい?」
ハッと我に返ったスティールはごめんと笑み、戒めていた手を解いた。
「ふっ、あああああっっ」
軽く擦りあげるだけで欲望の証である白濁とした液をはき出したラーディンは長く耐えていたためか、びくびくと幾度かに分けてたっぷりと出した。