※性描写が含まれていますので、苦手な方はご遠慮下さい。
スティールはフェルナンを寝台へ運んだ。
ドゥルーガは思い切り責めているらしく、フェルナンは幾度も体を跳ねさせている。しかし達することは許されていないので、解放されることもない。
「…っ、く…っ……ぅ…」
「腫れちゃってますね」
精を堰き止められているフェルナンのペニスは完全に張りつめている。幾度も絶頂に近いところまで上げられているフェルナンは達したくて仕方がないだろう。スティールが握って擦りあげるとフェルナンから悲鳴じみた声があがった。
「やめっ、ああ、ああっ……、さわ、るなっ!!」
ビクビクと体を跳ねさせるフェルナンは必死に堪えようとしている。強すぎる快楽は苦しいというがまさにその状態なのだろう。足は幾度もシーツを蹴り上げ、握りしめられた手は緩むことがない。
「フェルナン様、どうしたいですか?」
張りつめたペニスの裏側を柔らかく撫で上げるとフェルナンは大きく首を仰け反らせた。
「く…ぅっ!!!」
「ね、ここ。思い切り出したくないですか?」
そのまま根元辺りを袋ごと柔らかく揉みしだくとフェルナンは大きく体を震わせた。腰の動きは止められないのか、荒い呼吸と共に揺れ動く。
「あ…ああっ…」
フェルナンとスティールの目が空中で合わさった。
「それとも、出さないまま、何度イケるか試します?」
ニコリと笑んで精の出ぬ先端を指先でグリグリと押さえつける。相当な刺激だったのだろう。フェルナンの声は涙混じりのものになった。
「やめ!!…あ、ああっ……や、やぁっ…」
「ドゥルーガ」
「!!!やめっ、はっ、ス、スティールッ!!嫌だ、スティールッ!!」
前から後ろからダイレクトに性感帯を擦りあげられ、そのうえ、張りつめたペニスを擦りあげられ、フェルナンは幾度も首を横に振って悶えた。
「フェルナンさま、達きたいですか?」
「…っ、いき、たいっ……達きたい!!」
何度も絶頂レベルの快楽まで与えられては落とされの繰り返しで、大変辛かったのだろう。ようやく得られた返答にスティールは笑んだ。
「入れていいですか?」
「……っ…いいっ…入れ、入れて…」
「あぁ、だから足を広げてるんですか?」
言われて己の体位に気づいたのか、フェルナンはカッと顔を赤らめた。反射的に閉じようとするところを食い止める。
「入れますよ?」
フェルナンは羞恥に赤く染まった顔を逸らしたまま、小さく頷いた。
「…っ、あつ……あつ…いっ……」
うわごとのようにフェルナンは繰り返す。
(本当だ、熱い…)
初めてフェルナンを抱いたとき、フェルナンは失血で酷く冷たかった。そのときのことを思えば感慨深く、スティールは思わず強くフェルナンを抱きしめた。
(暖かい…この人は生きてる…)
そう思った途端、生気が目眩を起こすような激しい動きを起こした。中から揺さぶられるような刺激にスティールは腕を突っ張って堪えた。
「っ……っ!」
「ぁああっ…い、いや、だっ…」
(すごい…暴れてる…?)
それは受け入れている側のフェルナンの方が激しく感じられているらしい。性感だけでなく、生気の動きも加わって、二重の刺激が体を襲った。
「…うぁっ……すごいな…」
癖になりそうだと思いつつ、腰を打ち付け、中を穿っていく。小竜は印をこじ開けろと言った。激しくして構わないだろう。フェルナンだって軍人だ。そう柔ではないはずだ。
絡みつく襞を容赦なく突き上げていく。締め付けが癖になりそうなほどいい。その上、初めて聞くフェルナンの快楽に濡れた声は恐ろしいほど抜群だった。
「…っ、ひっ……あっ……ああっ…ああっ」
甘く艶めいた声はズンと腰に来そうな色っぽさでスティールの好みそのものだった。その上、常に冷静でクールなフェルナンの綺麗な顔が上気して喘いでいるのもたまらない。亜麻色の髪が乱れて肌に張り付いているのが何とも言えず官能をそそる。
彼は将軍だ。一軍のトップがスティールに対し、足を広げて奥を貫かれているのだ。これで煽られないのであれば男じゃないだろう。
「あっ…ああっ…ぅくぅ…あっ…」
フェルナンは既に正気を飛ばしていた。喘ぎながら幾度も首を振っている。スティールも煽られて限界が近かった。
「フェルナンさま、一度出しますよ」
通じてはいないだろうが、一応告げておいて奥の前立腺目掛けて白濁とした精を打ち付けた。
「……っ……ああああっ……」
ちょうど小竜が解放したのか、フェルナンも同時に達した。ようやく迎えられた絶頂はフェルナンにとって相当な刺激となったらしく、そのまま意識を飛ばす。
「フェルナン?」
意識を失った姿にかつての夜を思い出し、スティールはゾッとする。
慌てて揺さぶろうとしたらドゥルーガが側に現れた。
一瞬でスライムから小竜姿に戻ったらしい。相変わらず謎の多い小竜である。
「慌てるな。気絶しているだけだ」
ちんまり座る小竜はまだ中途半端だなと呟く。
「…ドゥルーガ?」
「だが解放されかけてはいるぞ。ふむ。中に出すのがやはりいいようだな」
小竜はフェルナンの腕の印をマジマジと見つめ、冷静に分析している。
そして小さな頭をスティールへ向けた。
「そのままヤれ。何、相手も丈夫そうだ。遠慮はいらないだろう」
そりゃ軍人だから丈夫だろうけれど…と思い、スティールは苦笑した。小竜の言い方では色気の欠片もない。
しかしスティール自身、まだ満足とは言えない状態だ。もう少し付き合ってもらうのもいいだろう。