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◆嵐の扉(4)


※性描写が含まれていますので、苦手な方はご遠慮下さい。


まず先手を打ったのはさすがというべきか、ドゥルーガだった。
宿の部屋に入った途端、一瞬にして液体化し、フェルナンの服の隙間から入り込む。

「…っ、なに、をっ……!!」

フェルナンは驚いて取り除こうとしたが相手はゼリー状物体だ。おまけに取り除くためには服を脱がなければいけない。その躊躇いがスティールに大きなチャンスを与えた。

「フェルナン様…」

腕を捕らえて緑の術を使い、体の動きを鈍らせる。
そして相手の体を抱きしめるようにして口づけていく。そのまま壁に押しつけるように体を密着させて口を開かせ、舌を絡めていく。くちゅりと唾液が絡み合い、舌先で上顎裏を擽るように動かしていくとフェルナンが苦しげに身じろぎした。
とにかく生気を混じ合わせなければならない。そうしないと印は解放されないのだ。スティールは舌を絡めながら片足をフェルナンの足の間に差し入れた。体を密着させながら巧みに相手の股間へ腰を押しつけていく。
何しろ相手はフェルナンだ。いわゆるベッドバトルというような話で部屋を取ったわけだから、そういう意味での遠慮はいらないだろう。逆に遠慮していたらヤられかねない。
容赦のない先制攻撃に、当初抵抗していたフェルナンは口づけが深まるに連れ、動きは少なくなっていった。

「…っ…うっ……」

呼吸が苦しくなってきたのか、口づけが深まるに連れ、フェルナンが苦しげに身じろぎし始めた。途中で軽く唇を離して少し息を整えさせ、更に口づけていく。
密着する体から相手の昂ぶりが伝わってきて、スティールは少し安堵した。ドゥルーガの助けがあるとはいえ、ちゃんと感じてくれているらしい。
スティールは口づけながら相手のベルトに手をかけた。騎士服を脱がすのは他の二人のおかげで慣れている。制服も騎士服も基本的な作りは似たようなものなのだ。
しかしさすがはフェルナンというべきか、下の服を床に落としたところで気づかれた。至近距離で睨まれ、スティールは苦笑した。しかしこんなところで躊躇っていては何もすすまない。

「勃ってますね」

わざとハッキリ告げてスティールはフェルナンの勃ち上がっている肉棒に指を絡めた。

「…っ!卑、怯だぞ…!」

カッと羞恥に顔を赤らめたフェルナンが直接触れられ、小さく呻く。股間にはスティールの手だけでなくスライムも絡みついている。どうせだから盛大に手伝ってもらうかとスティールは思った。

「ドゥルーガ。前後から責めてくれるかい?イカせずに」

返事はなかったが相棒が応じてくれたのはスライムの動きから判った。

「…っ、なに、をっ…」
「フェルナン様、腕を見せてくださるんでしょう?自信あられるなら堪えてくださいね」

わざと挑発したスティールの言葉に反論しかけたフェルナンは中の弱い部分をドゥルーガに突かれたのか、スティールに凭れるように崩れ落ちた。

「…っ、ああっ…、な、んだ、これはっ…」

スティールの肩に捕まって、床に崩れ落ちるのをかろうじて防ぎながらフェルナンはピクピクと体を震わせた。戸惑っているところを見ると、中を刺激された経験は殆どないらしい。どうやらドゥルーガは内部から責めているらしく、後ろの蕾は当然ながら、前も尿道を通って奥まで入り込んでいるらしい。完全に勃ち上がっているというのにフェルナンのペニスからは全く愛液がでてこない。ドゥルーガは前後から前立腺を擦りあげていく。

「…っ!!ひっ……ぁっ、ああっ、や、めっ」

慌てたフェルナンは何とか止めようと手を伸ばしたが、ドゥルーガは完全に内部に入り込んでしまっている。止められるような状態ではない。スティールは空中を彷徨うフェルナンの手を掴み、指先に口づけた。その感触にさえ感じるのかフェルナンの体が小さく震える。

「…っ、あっ…ああっ…い、やだっ!」

立っていられなくなり、崩れ落ちるフェルナンをスティールは抱き留めた。

「もう堪えられないんですか?」

わざと意地悪く囁くスティールをフェルナンは反射的に睨みあげた。しかし快楽に濡れた目では迫力も何もない。
スティールは片腕をフェルナンの腰に回して体を支えつつ、もう片方の手でフェルナンの上の制服を脱がしていった。

「…ン、ンッ……くぅっ……」

フェルナンは必死に堪えようとしているが、ドゥルーガが蹂躙しているのは内部、それももっとも感じる性感帯だ。しかも前後から責められては堪えようにも堪えられないだろう。
身も蓋もなく快楽におぼれてしまってもおかしくない責めだ。
スティールは中腰状態で苦しげに悶えるフェルナンに少し見惚れつつ、シャツのボタンを全部外した。感じ入っているフェルナンの白い肌は上気し、やや汗ばんでいる。露わになった乳首が赤く尖っているのを見て、スティールは指先で強く摘み上げた。

「ひっ…あ、あああっ…!」

中からの刺激に集中していて、不意打ちだったのだろう。フェルナンは声を上げて強く体を震わせた。精液は出ていないが、軽く達したのだろう。荒く息を吐いてぐったりとスティールに背を預けて崩れる。

「…っ、んんっ…」

しかし中からの蹂躙は収まらないのか、フェルナンは俯いたまま唇を噛んだ。目尻に溜まった快楽の涙がこぼれ落ちる。

「フェルナン様…どうします?まだ我慢しますか?」

フェルナンは答えなかった。プライドと理性が邪魔をしているのだろう。
ここで許してもいいが、それでは今後に差し支えがある。スティールはフェルナンを可哀想に思いながらもまだ堪えてもらうことにした。