たまに来てくださるクリーム色の髪のお客様がいらっしゃった。
舌の肥えたお知り合いの方の代理で来てくださったそうだ。
舌の肥えた方に認めていただけているなんて嬉しい話だな。
「何?ウェールの店だったのか!」
どこからともなく声がした。
今、お客様は目の前の方だけなんだけど、どこから声がしたんだろう。
「ウェールのお店ニワトリ印のパン屋支店です」
「長い店名だな」
声はすれども姿は見えぬ相手に答えてみたら、返事がきた。
なんて不気味なんだ。俺、白昼夢を見ているのかな?
渡された上品な籠に頼まれたパンを入れていく。
そうして代金を貰って商品をお渡しした。
ところであの籠はどなたの籠だったっけ。
いつも見ているはずなのに籠と相手が思いつかない。うーん、どなただったかなぁ。
<END>
ドゥルーガが新しい看板に気付いたという話。
スティールは某人物からパシられています。