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◆ウェールの黄金竜 (スティール視点)


来客があった。
それもびっくりするような来客が。
七竜の一つ『黄竜』がドゥルーガに会いにやってきた。
黄金竜の異名を持ち、使い手には巨額の富をもたらすと言われる竜だ。
細い首には、見事な宝石が複数使用された首輪。相当な値の品だろう。
黄竜は現在、世界を網羅すると言われるほどの大商人ウェール一族と代々一緒にいるらしい。
なのにドゥルーガは挨拶への返答もなく、無言で相手を見つめている。どうしたのかと思ったらいきなりため息。

「お前、悪趣味になりやがったな。なんだその品のない首輪は。宝石で飾り立てるのが好きそうな成金のペットみてえだ」

何とも失礼な発言だ。

当然ながら黄色い小竜は激怒した。

「馬鹿者――!!誰がペットだ、誰が!!大体私もこの首輪は気に入っていないんだ!!やむを得ず、つけているだけだっ」

「やむを得ず首輪をつけなければならない事情とはなんだ?」

「ふん、知らないのか?珍しい動物は首輪をつけておかないと悪徳商人に捕られるらしいぞ」

黄竜はそんなことも知らないのかと言わんばかりに返答した。ドゥルーガは沈黙。そしてため息を吐いた。

「お前はノコノコと捕られるような下等生物に成り下がったのか。哀れだな」

「そんな訳なかろう!私はただ、人の社会に生きるため、人の決めたルールに従ってやっているだけだ」

「アホか。単に捕られきゃいいだけだろうが」

ドゥルーガは呆れ顔で一蹴。
そのまま口論は深夜まで続いた。
なんだかなぁ……七竜ってみんなドゥルーガみたいなんだなー。

<END>

実はもう『悪徳商人に拉致られ済み(しかも首輪つけてた!)』…というお話(笑)
これは一度拍手お礼に使用した話になります。
更に続きます。