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◆竜鱗の害獣退治(16)


※性描写があります。苦手な方はお気をつけください。

国王の寝室らしく、広々とした室内には上質の調度品が置かれている。
ホルドウェイはその部屋の奥にある寝台へと向かった。
天蓋付きの寝台へ近づいていくと、チェーンを引きずる金属の音が響いた。

「へい……かっ……!!」

捕らえられているのはホルドウェイより少し年上の男だ。年齢は二十代半ばから後半だろう。いつも整えられた綺麗な黒髪は、今は酷く乱れて、汗で首筋や頬に張り付いている。
男はほぼ全裸だ。股間のみを金属と皮で出来た貞操帯できつく戒められている。手足には金属の枷がつけられ、開脚状態で寝台の柱に繋がれている。
男は酷くやつれている。つよい媚薬を飲まされた状態で触れられもせずに放置されっぱなしなのだ。
自慰すら許されず、耐え難い疼きをどうすることも出来ず、男は疲弊しきっていた。

「ジョサイア、反省したか?」
「……っ…!!」

ギラギラと輝く反抗的な眼差しにホルドウェイはため息を吐いた。

かつて、ホルドウェイは四大部族から強引に後継者と目される者たちを奪い取った。
リグのように惚れ込んでくれた者もいれば、ジョサイアのように反抗的な者もいる。
しかし、ホルドウェイは王だ。反抗的な者もてなづけなければならない。大国を束ね、率いていくのがホルドウェイの役割なのだ。

「水を…」
「いらぬ!!」
「飲まなきゃ死ぬぞ」
「いらな……うぁっ!!」

ホルドウェイはもがくジョサイアの体を押さえ込み、胸の突起に触れた。
幾度も抱いたことがある体だ。弱い部分は知っている。まして、薬で昂ぶっている体だ。すぐにジョサイアは声を上げはじめた。

「あっ…ひっ…ん…っ…」
「水を飲むなら外してやるぞ」

胸の突起を指で捏ねるように弄りつつ、耳元で囁く。ついでに耳朶を軽く噛んでやると、ジョサイアの体がびくりと揺れた。
至近距離で悔しげに睨み付けられる。とてもプライドが高い男だ。こうして嬲られるのは相当な屈辱だろう。ずっと放置され続けていたところへ加わった愛撫だ。体はそうとうつらいだろうに懇願してこない相手にホルドウェイは内心感心した。

'(本当に強い精神力だ…)

だからこそ元の部族から奪ったかいがあるというものだが。
西のウィハーン族は後継者争いが激しかったという。そんな中、ライバルを抑えて後継者に選ばれていただけのことはある。選ばれるだけの能力を備えているのだ。
ホルドウェイは手を伸ばして、ジョサイアの股間に巻き付いている貞操帯のベルトに手を掛けた。

「……っ、止め、ろ、……触れるなっ……!!」

ジョサイアの言葉を無視して、股間に巻き付いている複雑な作りをしている品を一つ一つ剥ぎ取っていく。
手の些細な動きにも感じるのだろう。ジョサイアは顔を背けたまま、真っ赤な顔で震えている。

「……ぐしょぐしょだな」

露わになった股間を見て呟くと、ジョサイアは羞恥に染まった顔を背けたまま、悔しげに唇を噛んだ。

「目を背けるな。ちゃんと見ろ。それとも見れぬのか?」

相手の顎を取りつつ問うホルドウェイの言葉にもジョサイアは答えない。ただ、きつく目を閉じて、きつく唇を噛んでいる。
ホルドウェイはジョサイアの後孔に指を入れた。
貞操帯をつける前にたっぷりと媚薬を塗り込んだ内部はハッキリと判るほど熱を持っている。
うねるような内部をひっかくように指を動かすと、ジョサイアの体が判りやすくビクリと大きく跳ねた。
恐らくはずっと欲しくて欲しくてたまらなかっただろう。そんな部分にようやく欲しかった刺激を受けたのだ。
指を抜き差しするように動かしていくと、悲鳴のような声が上がった。

「あっ、あ、あっ……!!あっ、ヤメッ……!!ヒィッ!!」

露わになった股間はイク寸前のように張り詰めている。しかし、ぎりぎりでイケぬように根元で戒められているのだ。最後のベルトだけが外されていない。

「アッ、アアアアッ……ヤメッ、アアアッ…」

吐き出せぬまま達したのだろう。ジョサイアの体がビクビクと一際大きく揺れて、ぐったりと沈み込んだ。
しかし、ホルドウェイは容赦せず、置かれていた張り型を突き入れた。大きな張り型による衝撃で再びジョサイアが声を上げる。達したばかりで吐き出せていない体は敏感そのものだ。しかも大きな張り型で前立腺を容赦なくグリグリと突かれ、ジョサイアの目尻から涙がこぼれ落ちた。イキたい、吐き出したい、イケない。快楽ばかりが与えられ、それでも吐き出せぬから体は満足しない。終わりのない快楽は拷問に等しく、ジョサイアの精神を苛んだ。

「へい、かっ……!!」
「なんだい?」
「………っ!!」

山のように高いプライドと羞恥が邪魔をして、欲する言葉を口に出来ないジョサイアにホルドウェイは苦笑した。

「ジョサイアは私が欲しくないらしい。他を呼ぶか……マーティンがまだ近くにいるかもしれないな…」

快楽で荒く息を吐くジョサイアは顔を強ばらせた。放置されたまま、他者との性交を見せつけられる可能性に気付いたのだろう。
やるといったらやる。それがホルドウェイだ。見た目は物静かな風貌ながら、中身は並の人物ではない。そのことをジョサイアは嫌というほど知っている。
焦らされることや放置されることよりも、ホルドウェイが他者を抱くところを見せられるかもしれないということがジョサイアを追いつめた。
ジョサイアは震えながら口を開いた。

「へいか……」
「なんだい?ジョサイア…」
「……申し訳…ありませんでした……お…許し…を……っ」

やっと口にされた謝罪にホルドウェイは小さく笑んだ。
手を伸ばし、ジョサイアの頬に触れる。

「………君は本当に素直じゃないね。あんなマネをせずとも私はちゃんと君を見ているよ」
「……っ」
「ちゃんと見てるよ、君のことを」

驚きに目を見開く様子を見つつ、ホルドウェイはジョサイアの四肢を戒めている鎖を外した。

「ほら、水。飲みなさい」

繋がれたまま、ろくに飲み食いができなかったはずだ。
水差しから注いだ冷水をジョサイアの口にあてがうと、ジョサイアはそのままゆっくりと飲み干した。
そして物言いたげにホルドウェイを見つめた。

「さて、それじゃ私の方の準備を手伝ってもらおうかな。咥えてくれるかい?」

ジョサイアは無言で従った。
性欲に濡れた眼で奉仕するジョサイアは必死な様子で口と手を使っている。少しでも早く欲しいのだろう。
そうしてある程度育つと、物言いたげにホルドウェイを見つめてきた。許しが欲しいのだ。
その事に気付いたホルドウェイは一つ頷いた。ジョサイアは安堵した様子で顔を上げると、己に突き刺さったままの太い張り型を引き抜いた。

「ぅ…くぅっ……っ」

自力で抜くだけでもきつかったのだろう。荒く息を吐きつつ、ジョサイアはホルドウェイの体にまたがり、昂ぶった性器を自分で飲み込んだ。

「へい、かっ……外、して…くださいっ」
「何を…?」
「……っ!!い、イキたいですっ!!」

さすがにこの状態で許されぬのは嫌なのだろう。珍しくも必死な様子で懇願してきたジョサイアにホルドウェイはイクことを許すことにした。
ホルドウェイは繋がりあったまま、体を起こし、ジョサイアが望むとおりに戒めているベルトを外した。
そうして腰を動かしていくと同時に胸の突起を弄っていく。
弱い部分を責められ、ジョサイアは瞬く間に達した。

「ヒッ、アアッ…アア、アアアーッ!!」

しかし、ジョサイアが達しても愛撫の手は止まらなかった。

「まだだ」
「ヒッ…や、めっ」
「焦らされた分、たっぷり味わえよ」

達したばかりの体を中から揺さぶられ、ジンジンと疼く突起を嬲られ続ける。
与えられる愛撫に声を抑える余裕もなく、ただ乱れることしかできない。
そうして、許しを請うまでたっぷりと貪られたのであった。