綱~勝利をたぐり寄せる手~


 一方、アスターは軍の総本部で会議に出席していた。ガルバドス国が誇る黒将軍八名による会議である。
 実を言うとこの会議は定期的に行われているわけではない。出撃などで八名揃わないことが多く、不定期開催になりがちなのだ。
 それでも時々情報交換という名の打ち合わせをしておかねば仕事上不都合が起きる場合があるので、主にレンディかノースによって召集されている。
 アスターはその会議の席に気に入りの菓子店で購入した焼き菓子と紅茶を持ち込んだ。もちろん主目的はレンディに食べてもらうことである。だが彼にだけ渡すというのはさすがに失礼なので他の黒将軍用にもしっかりと用意した。

「先日、ベルンスト第二王子殿下とお忍びで行った店に売ってある人気の菓子です、よろしかったらどうぞ」

 そう説明したおかげで皆の興味を引くことが出来、食べてもらえた。なかなか美味しいと好評であった。
 そうして始まった会議の途中、ゼスタが『カーロ伯爵領に妙に難民が集まっているらしい。特に何か問題が起きたとは聞かないが』と発言した。この発言の裏にある意味は『この件について何か情報を持っていないか』ということである。

「難民が行く理由となると衣食住付きで雇ってもらえる仕事があるんだろうけどねえ……特に問題がないなら様子見でいいんじゃないかい?」

 そうアニータが紅い巻き毛の髪をかき上げながら言うと同意の声が複数上がった。
 そんな中、アスターは思案顔であった。少し引っかかることがあったのだ。

「えーっと……カーロ伯爵領って……ハーケ男爵領の隣じゃありませんでしたっけ?」
「ああ、そうだよ。カーロ伯爵領の北で隣接している」

 国内の地理はすべて頭に入れているノースが即答した。

「うーん、ちょっと引っかかることがありまして。今回の一件と関係があるかどうか判らないんですが、俺の部下であるレナルド赤将軍がですね、デーウス元黒将軍の元へ行くときにいつもハーケ男爵領を通っていくんですよ。場所的にどうしてもそこを通るのが一番早いルートになるんで。その時に塩商人を多く見たと言ってたんです。その時はあまり気にしていなかったんですが、その後、カーク様の為にいい男捜しをしている部下が同じ領で塩商人が花の種をたくさん買っているのを見たと報告してきました」
「アンタ、カークよりも上位に昇進したのになんでカークのためにいい男捜しをしているんだい?」
「俺はレナルド赤将軍が何故デーウス元黒将軍の下へ行ってるのかが気になる。いつもという事は何度も行き来しているという事だろう?だがそなたはデーウス元黒将軍の麾下に入ったことはないと聞いているがどういうことだ?」

 アスターの発言にアニータとゼスタがツッコんだ。
 その二人にノースが更にツッコむ。

「今はそこを気にしている場合じゃないだろう、二人とも」

 呆れ顔のノースに対し、その向かいの席に座るレンディは意味ありげな顔になった。

「花の種か。もちろん普通の花の種じゃないだろうね。心当たりがあるんだろう?ノース」

 レンディの指摘にノースは苦々しげな表情となった。

「『アキューロスの滴』の材料となる花である可能性がある。あれは強力な催淫剤となる品で自白剤代わりにも使えるほどだと言われている。そしてそれに類似する麻薬が王都を中心に広まりかけていて、それらの麻薬は依存性が高い。……つまり中毒患者による需要の高まりが背景にあるのかもしれない」
「需要が高まれば高値で売れるね……その花の種を栽培する為に人手が欲しいってことかもしれないね。しかも栽培するのが難民ならば邪魔になった時に簡単に切り捨てられる。いつでも捨てられる人材なら違法なことに使いやすい」

 そっちの調査をする必要があるのかと面倒くさそうな顔になったゼスタに対し、アスターは困り顔で口を挟んだ。

「それでですねー、その塩商人なんですが……カーロ伯爵領じゃなくて、エッティンガー領方面から来ているようです……」
「アンタ、塩商人の調査までしたのかい?マメだねえ」

 呆れ顔でアニータがツッコむ。

「いえ、カーク様の為にいい男捜しの調査をしていたら判ってしまっただけです。人員が国中に散らばっているんで……」
「アンタ、カークのために一体何人使ってるんだい!?」

 アニータがツッコみ、ノースが頭を抱える。アスターがそこまでしているとは知らなかったのだろう。

「いえ、国中に工事箇所があるんでそのついでと言いますか……あとカーク様が絵付きだとお喜びになるんで画家を幾人か雇っているんです。それらの画家には情報収集も頼んでおります。その画家にグロスデン国が武器を集めているようだと報告を受けました」

 アスターの報告により、会議室が緊張感に満ちた。
 エッティンガー領は亡くなった第一正妃の実家がある領だ。つまり第一王子バルドイーンと関係がある領となる。先日そこで第一正妃と第十二王子が亡くなったばかりだ。
 そしてそのエッティンガー領の南にグロスデン国がある。武器を集めているということは侵略を考えている可能性がある。

「アンタ、その情報は確かかい?」

 さすがに緊張した声音でアニータに問われ、『真偽を確認中です』とアスターは答えた。さすがにこの問題は放置しておけないため、正式に人間を派遣して調べているところである。
 
「疑いたくはないがエッティンガー領がグロスデン国と繋がっている可能性は?」

 ノースがダンケッドに問うた。
 ダンケッドは第一王子の恋人だ。喧嘩中のようだがまだ破局したという報告は受けていないので続いているのだろうとノースは思っている。

「エッティンガー領主は第一正妃の親だからな。孫である第一王子が国王になれるよう全面的に協力していると聞いている。そんな中、わざわざ敵国と繋がるような危険を冒す理由がない。可能性は低いと見ていいと思うが」
「そうだろうね。私もそう思う」
「あー、それでですね、もう一つ報告が」
「何だ、アスター」
「エッティンガー領の隣にあるクナップ領主とケーニヒ領主の嫁が不倫したらしくて、その領主同士で大げんかになっているそうです。元々、領地の境にある銅鉱山の所有を巡って不仲だったそうですが、これがきっかけで内乱が起きそうだと聞いております。きっかけは不倫といえども、このご領主様方がお持ちの戦力がそこそこ大きいらしくて、全面的にぶつかり合うと青将軍一人ぐらいじゃ抑えられない規模になりそうだと聞いております」

 青将軍では抑えられない。つまりその上位である黒将軍に出撃命令が出る可能性が高いというわけである。それでアスターはわざわざ報告をしてきたのだろう。こういうことがあったと知っておくだけでも心構えができるし、出撃があるかもしれないと部下に示唆しておくことで準備も可能となるからだ。
 こういう気配りの上手さを高く評価するノースが内心アスターへの評価を高めているとそのアスターが更に爆弾発言をしてきた。

「あー、それでですね、俺と陛下は三日後からいません。レンディもいません。ですからその内乱が起きた場合、俺とレンディ以外の方々に出撃していただくことになると思います」
「何だって?どういうことだい?」
「陛下がザイフェルト領にある別荘へ鹿狩りに行かれるそうです。それに護衛として同行しろと仰せでして。レンディがいれば護衛は充分だと思いませんか?なんで俺も行かなきゃいけないんですかね!?忙しいから行きたくないと陛下にも抗議したんですけどついてこいの一点張りで。あの方、マジでワガママですよね!」
「アスター、不敬罪になるから発言に気をつけたまえ」
「もうさんざんご本人に対して言いましたよノース将軍!めっちゃ笑われましたけど!あの方、すぐ俺の事を笑われるんですよね。俺のやることなすことすべてが面白いみたいで笑われっぱなしですよもう……。まぁそういうわけで俺は三日後からしばらくいません。ご迷惑おかけしますが王命なんでご理解ください」

 そう言ってアスターが頭を下げるとレンディ以外の黒将軍が複雑そうな表情になった。

「ずいぶんと陛下に気に入られたのだな……」

 いいのか悪いのかと言いたげな顔でゼスタが同情気味にアスターを見やる。彼は質実剛健といった性格の人物なので王族の相手を苦手としている。そのためアスターには同情気味だ。

「はい、何故か俺が面白いとのことで……」
「じゃあアスター、内乱が発生したら鎮圧はうちが担当してもいいかい?今の状況じゃうちが担当することになりそうだからさ。よかったら陛下に許可を得ておくれよ」

 アニータがやや嬉しそうにそう頼んできた。出陣が出来そうなので嬉しいのだろう。内乱の鎮圧といえども出陣をしたら部下に活躍の機会を与えられるからだ。
 レンディ軍とアスター軍は出られないことが確定している。トップの二人が国王のお供で留守をするからだ。
 スターリング、ギルフォードの両軍はベルンスト王子の護衛のために戦力を割いており、その旨を内々的に他の黒将軍にも伝えている。護衛のための戦力は軍全体の人数としては少数だが、赤将軍を初めとした腕の良い人員を割いているために出陣となると支障が出るのだ。
 ノース軍はダンケッドが昇格した時に戦力を分けたために今は陣容が薄くなっている。その為、出陣には消極的だ。そのことを他の将軍たちも察している。
 ダンケッド軍はバルドイーン王子の護衛に人員を割いている。つまりスターリング、ギルフォードの両軍と似たような理由で出陣には消極的だ。その上、前回、エッティンガー領で起きた戦いに出撃をしたばかりだ。
 つまり内乱の鎮圧に出られるのはゼスタとアニータの二名のみとなる。そしてゼスタの方は国内に蔓延しつつある麻薬の調査をせねばならないことが確定している。アニータはすぐにそのことに気づいてアスターにそう申し出てきたのだ。

「判りました。却下されることはないと思いますが明日、王宮へ行く用事がありますからその時に問うておきます」
「だったらアスター、俺の用件も頼んでいいか?先ほどの麻薬調査の件、うちが行うから報告をしておいてくれ」
「判りました」

 ゼスタの頼みにアスターはあっさりと頷いた。こちらも却下される恐れはないし、ただ報告をしておけばいいだけなので簡単な用件だ。
 するとノースからも頼まれた。

「ならばアスター、ゼスタ軍が行う調査だがうちも協力をすると陛下に伝えておいてくれ。以前『アキューロスの滴』を調査したことがあるのでね。力になれると思うんだ」
「なるほど判りました」
「それなら私も頼んでいいか?戦災孤児が増えたので少年兵もその分増えた。寮が足りなくなってきたので増設しようと思っている。その許可を取ってきてくれ」

 ギルフォードの頼みにアスターは頷いた。それは自分も気になっていたことなのでちょうど良かったとも言える。

「判りました。それぞれの件に対する返答は後日使者を送りますね」
「判った。ありがとね」
「すまんな、助かる」
「ありがとうアスター」
「すまない、頼んだ」

 それぞれから礼を言われ、アスターはどういたしましてと頷き返した。
 あの国王とあまり接したくない気持ちが判るし、王宮はどうしても平民には億劫なのだ。あの独特な空間は極力避けたくなる。例え国王に次ぐ地位となる黒将軍であっても、行きたいかと言われれば否だ。最近、妙に行く機会が増えてはいるが……。
 そんなことを考えていると、唐突にスターリングに思いがけないことを問われた。

「アスター将軍、私も嫁ぐ準備をするべきだろうか。とりあえず花嫁修業を頑張ってみようと思うのだが、よき師匠を知っていたら教えてくれ」

 スターリングは見惚れるような美貌を持つ男性である。ただし中身は独特だが。
 艶のあるサラサラの黒髪に鮮やかな青い瞳を持つ美貌の男性、それがスターリング黒将軍である。だが口を開けば突拍子もないことを言うことはザラだ。そのため運命の相手であるギルフォード黒将軍は大変苦労してきたという。スターリングと交友関係を深めていくうちにその気持ちが判りつつあるアスターである。

「いきなり何を言い出すんだ、スターリング」

 案の定、ギルフォードが顰め面だ。
 アスターは一旦ギルフォードを視線で制止して、スターリングに向き直った。

「えーっと、何故嫁ぐ準備をする話が出たんですか?どなたか結婚されるんで?」
「ダンケッド黒将軍が近々、バルドイーン第一王子殿下に嫁ぐのでは?と噂されている」
「あー、なるほどそれか。まだ先の話だと当人に聞いておりますから大丈夫ですよ。ですよね?ダンケッド将軍」
「ああ、まだプロポーズすらされていない。指輪も貰っていない。花も最近はない。…………どうも手抜きされている気がする」

 ダンケッドの淡々とした台詞から怒りを感じ、アスターは少し顔を引きつらせた。

「ええとー、それはよくないですね。ですが逆プロポーズというのもありだと思いますよ、男性同士なんですから」
「なるほど、それは思いつかなかった。だがその気になれん」
「そうですか。まぁ結婚は大変重要な問題ですからよくお考えになってからの方がいいでしょうね。後悔先に立たずと言いますし。……えーっとそれでスターリング殿、スターリング殿もまだ先でしょう?タヴィーザがまだ徴兵中なんですから。あいつが徴兵中に結婚するのは無理だと思いますよ」
「む、確かにそうだな。徴兵中に結婚するのは無理があるか」
「そうですよ。それに家のことはぼちぼち覚えていけばいいと思いますよ。恐らく家事はタヴィーザもそれほど得意ではないと思うんで一緒に練習すればいいと思います。共に練習して腕を磨くというのも悪くないと思いますよ」
「なるほど共にか。悪くないな」
「そうでしょう?それとこういう大切なことはタヴィーザに相談した方がいいと思いますよ。スターリング殿はちょっと自分で考えて自分でやろうとしすぎだと思います。独断専行はタヴィーザを怒らせますよ」

 そう告げるとスターリングはハッとした顔になった。心当たりがあるようだ。

「確かに。以前タヴィーザにもそう言われたんだ。大切なことを思い出させてくれてありがとうアスター将軍。感謝する」
「どういたしまして。ところでタヴィーザは俺の実家に住み込みで働いているんですが、スターリング殿も俺の実家に来るんですか?」
「うむ。タヴィーザがそなたの実家に戻るならそうなるな」
「すると俺の家族や大勢の従業員と同居なさるんで?」
「そうなるな」
「ええとー、それじゃ二人きりにはなりづらいですね。別に家を借りて独立なさるのをおすすめしますよ。そっちの方が新婚ぽくていいと思います」
「なるほど、確かにその方がいいな。前向きに考えさせてもらおう」
「ええ、そうしてください」

 話が丸く収まって安堵していると他の黒将軍たちから好奇心いっぱいの視線を向けられていた。
 ギルフォードは相方を宥めてくれたアスターに感謝の眼差しを向けてくれていたが他の黒将軍たちは興味津々という感じだ。

「スターリング将軍の婚約者はアンタの知り合いなのかい?」

 アニータの問いにアスターはチラリとスターリングを見つつ頷いた。

「ええ、まぁ。俺の実家は王都の外れで建築業を営んでます。住み込みの従業員もいて、結構賑やかな家なんですよ。その実家で働いている俺の幼なじみである建築士がスターリング殿の婚約者でタヴィーザといいます」
「アンタが紹介したの?」
「いや、紹介したというか……当時スターリング殿がお見合いを希望しておられて……それで俺の実家近くに住む見合いのおばちゃんにスターリング殿の相手を探してくれって頼んだんですよ。そして見つかったのが俺の幼なじみだったというわけです」
「なんでアンタが見合いのおばちゃんに頼んだんだい?スターリング将軍に頼まれたの?」
「いえ、正しくはレナルド赤将軍に頼まれました。レナルドは俺の部下でギルフォード殿の婚約者です」
「あー、なるほど、そういうこと」

 やっと話が繋がったとアニータは納得顔になった。

「そういえばレナルド赤将軍は何でギルフォード将軍の下に移らないんだい?別の軍にいた方が都合が良いのかい?」
「いえ、それが少し古い話になるんですが、ベランジュール国戦でデーウス様の結婚相手であるセルジュ元青将軍が重傷を負われまして、それをお助けしたのがレナルドでした。それがきっかけであいつはデーウス様やセルジュ様と今も交流があるんですが、その時どうもデーウス様と揉めたようでデーウス軍に不信感を抱いてしまったようです。その名残があるのか、デーウス様の元麾下であるスターリング殿とギルフォード殿の軍に移りたくないようです」
「今は別の将が運営する軍だから無関係だと思うんだけどねえ。おまけにギルフォードは自分の婚約者なのにそんな理由で移りたくないってことがあるのかい?」
「いや、所属が俺の軍ってだけで今はスターリング殿やギルフォード殿のところにいるのはしょっちゅうですよ。お二人の公舎にいる時間の方が長いんじゃないかってぐらいです。元々風来坊みたいな性格のヤツですからどの軍にいようと働いているならいいかと思って放置してます」
「アンタはそれでいいのかい?」
「構いません。戦場ではこの上なく頼りになる部下です」
「そうかい。まぁ上官であるアンタがいいのなら構わないよ。ところでウィルフレドはアンタの麾下に入ったのかい?」

 ウィルフレド青将軍はアニータと共にリーチ元黒将軍の麾下にいた経歴を持つ。今はフリーの青将軍だがアスターとは付き合いがあり、アスターの要請で出陣することがある。そのため正式にアスター軍麾下に入ったのかと思ったのだろう。誰かの麾下に入った青将軍を使いたい時、事前にその上官である黒将軍に断りを入れることが礼儀となる。だから青将軍がどの黒将軍の麾下にいるのか知っておきたいと考えるのはごく普通のことだ。

「そうですね。そう考えてくださって構いません」

 ウィルフレドとはお互いに『麾下に入りますか?』『入ります』などというやり取りをしたわけじゃないが、彼は風の上級印持ちなので麾下に上級印持ちが少ないアスターとしては重宝している。そのため、上級印持ちが欲しい仕事の時は彼に頼むことが増えてきた。あちらも仕事がないと部下を食わせていけないため、アスターからの依頼は素直に引き受けてくれる。つまりお互いに良い感じのギブアンドテイクの関係が成り立っているのだ。ビジネス的なやり取りが主な関係だがお互いにその関係が気楽でいいと考えているため、ウィルフレドとアスターの関係は良好だ。恐らくウィルフレドは正式に麾下に入らないかと問うたら拒否しないだろう。すでにそれだけの信頼関係が築かれている。

「そうかい、判ったよ。ウィルフレドの戦力が必要となったらアンタに依頼するわね」
「はい、了解しました」

 アニータの軍は女性中心の軍だが女性軍人はどうしても少数派なので当然男も所属している。一般兵は男中心だ。
 そして上位の将も女ばかりというわけではない。更に言えばアニータの軍は印使い中心の軍だ。ウィルフレドの軍も印使い中心の軍であるため、呼びたいと思うことがあるのだろう。それで確認されたのだ。

(後でウィルフレドに正式にうちの麾下に入るか問うてみるか)

 今更、別の軍に所属されてもいろいろとしがらみが出来て面倒だ。それよりはさっさと自分の麾下に入れておいた方が面倒がなくていい。
 
(毎日忙しいのに陛下のお供で鹿狩りかー……)

 仕事がたっぷりと溜まりそうだとウンザリするアスターであった。